第46回日本医療福祉設備学会 一般演題優秀発表賞 受賞にあたって

受賞演題
IoT・AIを活用した大型病院施設の空調省エネルギー実施報告

田代 完二 氏
(株式会社NTTファシリティーズ グリーンITビルビジネス本部
 ソリューション営業部 部長)

 このたびは医療施設に造詣の深い諸先輩のご推薦を頂き、実例報告の機会と優秀演題の栄誉を賜り大変光栄に存じます。私は産業用クリーンルームなど大型空調設備の設計・構築、特に建設後の「運用改善」に長く関わった経験から、既存の自動制御システムでは設計者が考えた最適状態では運用が行いづらいことや、更なる最適調整による性能の向上余地が日々大きいことを知って、その原因解明に基いた「適時調整の自動化」に10年以上取り組んで参りました。そのなかICT技術の大きな進歩により、時代もIoTつまりモノがインターネットに繫がって対話する時代が到来し、人工知能を持つ「後付型ロボット」も組み合わせて「全自動的に人を助ける」発想ができる時代になりました。今後ますます社会が高齢化する時代を迎え、医療系施設の品質改善、特に建物の外と内の両側にむけた「環境への配慮」ができ、どなたにも喜んでいただける建物の実現に努めたく、意を新たにしております。

受賞演題
高解像カメラによる手術器材の複数一括認識の検証と業務への導入

渡邊 祐介 氏
(北海道大学 大学院医学院 医学研究院 消化器外科学教室II)

 第46回日本医療福祉設備学会「一般演題優秀演題賞」の栄誉を賜り、大変光栄に存じます。手術器材の多様性が増し、保守点検・滅菌洗浄・組立業務の専門性が高くなるなか、作業の信頼性ならびに作業効率の向上は重要な課題であります。本研究は人が行うこれら業務の支援を目指す基盤研究の位置づけで、将来的にはAI技術の活用によりさらなる自動化が見込める分野であります。さらには、これら業務を行う専門職の人材育成への応用も可能であると考えています。手術関連業務の支援を目標に、手術器材の複数一括認識技術の向上、業務への導入試験、さらには商品化へ向けて引き続き研究を続けてまいります。共同研究者であるサクラシステムプランニング株式会社三浦寿朗氏、川口弘之氏、永井元就氏、株式会社リューズ鈴木孝則氏、内田明宏氏、ならびに検証実験の際に協力いただいた手稲渓仁会病院の関係各位に心より感謝申し上げます。

受賞演題
医療福祉施設の電磁環境(4)ノイズリスク低減に関する提案

土田 崇氏
(株式会社関電工 技術開発本部 技術研究所 研究開発チームリーダー)

 この度は第46回日本医療福祉設備学会「一般演題優秀演題賞」にご選定いただき、誠にありがとうございます。本演題は、産総研コンソーシアム安心安全電磁環境研究会 編「情報通信機器・ロボット機器の運用空間指針」(AIST12-J00011, 2013)の医療福祉施設への適用を提案した5編の演題のひとつです。
 医療の現場では、医療機器の高機能化,医療情報の電子化が進んでおり、それらが安定的に運用される電磁環境を整備することが重要です。これまでは主に電波利用機器の共存という視点からルール作りが行われてきました。今後は、非利用電波すなわち電磁ノイズ(放射ノイズ・伝導ノイズ)に対象を広げることが求められます。その際、建物インフラを含めた施設全体を見渡して医療空間の電磁環境を検討する必要があります。医療現場を支える関係者の皆様と協力しながら、より良い医療電磁環境の構築のために努力して参ります。